春夏連続甲子園出場の神戸国際大付が貫禄勝ちだ。4回に2点先制されたが、5回に猛攻を浴びせた。1点差に迫り、1死満塁で久保勇吹外野手(1年)が初球スライダーをとらえて右前に逆転2点適時打。一気に5点を奪って豪快に試合をひっくり返した。高校の公式戦初出場の久保は「1年として出させていただいている。受け身になるより挑戦者というか向かっていく気持ち。先輩がつないでくれて、チャンスで回していただいた。絶対に打つ気持ちでした」と話した。

デビュー戦で3安打の活躍だ。身長は170センチと小柄だが「小さくても大きい人に負けないスイングと確実にミートする」と打撃の長所を語った。青木尚龍監督(57)も「思い切りがいいですね。新チームで、どんな打球でもヒットになったら自信につながる。投げ損ないでも抑えたら自信になる。勝っていくことで力がついていく」と評した。

公式戦は夏の甲子園で近江(滋賀)にサヨナラ負けを喫した8月26日以来だ。あの試合は4点ビハインドの9回2死走者なしから4連続代打の3連打などで一挙4点を奪って、同点に追いついていた。惜しくも敗れたが、勝負への執念が光った一戦だった。先輩が見せた意地は新チームも受け継いでいる。夏の甲子園でもプレーした山里宝内野手(2年)は15日から左打ちの練習を開始。この日は左打席で右翼線に適時打を放った。「3年生は粘り強い野球があります。夏、甲子園で勝ってきたのは全部、1点差。新チームになってから2ストライクからの打撃を採り入れたり、簡単にアウトにならないのを心掛けてます」と気合を込めた。