浜松西は強力打線を武器に、41年ぶり2度目の甲子園出場を目指す。佐藤光監督(48)は「今年は走攻守が安定しているが、特に打撃面は成長した」と強調。「春からバットの振りが格段に上がり、鋭い打球が飛ぶようになった」と実感を込めた。

強く振り切ることを目的に、同監督が就任した9年前から、バットスイングのスピード測定を実施。週2~3回、各自で測っている。高校生の平均は約120キロ。全国レベルの速球派投手に対応するには、140キロは必要とされている。昨秋は4人が達成。冬の間も、週6回の筋力トレーニングと1日素振り300回、米10合(約1・5キロ)を毎日食べることを繰り返し、スピードを上げた。

現在は、レギュラー9人全員が140キロ以上を記録している。最高は、4番・杉山満天(すぎやま・てん)内野手(3年)の149キロ。先頭打者の伊藤聡汰主将(3年)も、入学時の112キロから140キロに上げた。「記録は意識していない。すべては、夏の大事な場面で1本を決めるため」と力を込めた。

昨秋の県大会は、28年ぶりのベスト4。東海大会出場へあと1勝に迫り、地力があることを証明した。チーム目標の「甲子園1勝」に向かって、夏はノーシードから勝ち上がるつもりだ。【山口昌久】

◆浜松西 投打にバランスの取れた実力校。昨秋は県大会4位。今春は、県大会初戦で静岡高に2-3で惜敗した。投手陣は、制球力で勝負する林、最速141キロの牧野らが完投する力を持つ。打線は3番龍野、4番杉山を中心に破壊力十分。守りでは、伊藤三塁手は球際に強く、山本中堅手は守備範囲が広い。掛川西高と関西学院大でプレーした渡辺公登(なおと)氏(22)が今春、部長に就任。練習を手伝っている。