公立の生駒が、1972年以来、50年ぶりに奈良4強に進んだ。

8回に2点を失い4-4とされた。炎天下の球場。中堅を守る熊田颯馬主将(3年)が両足をつって芝生に倒れ込んだ。試合は一時中断。流れは完全に橿原に傾いていた。

ただ、誰ひとり、諦める選手はいなかった。

北野定雄監督(53)は「ご覧の通り、特徴のないチーム。ただ、みんなでしんどいことを乗り切れるチームでもある。競って負けないことが強みです」と胸を張る。

試合は延長へ。先頭の熊田主将が二塁の失策を誘う強い打球で出塁。4番篠田莉玖(りく)捕手(3年)の左前打で無死一、三塁とチャンスを広げた。続く野村拓外野手(3年)の左飛で、足を痛めていた熊田主将が必死の走りで決勝のホームを踏んだ。

熊田主将は「僕がここで終わったらチームに迷惑がかかる。最後までチームを引っ張ろうと思っていました」。2回1死満塁で走者一掃、先制の三塁打を放った飯田智規内野手(3年)は「ベスト4に入れば50年ぶりというのは聞いていました。もともと勝つつもりでしたけど、より一層、やってやろうという気持ちになった」と話した。

春季県大会は3回戦で夏の甲子園出場20回の智弁学園を6-5で撃破している。

自信を胸に挑む夏。北野監督は「彼らが学校の伝統になる。新たなページを作りたい」とキッパリ。

50年前は準決勝で天理に敗れている。今年で創立60年目の生駒は春夏通じて甲子園出場はまだない。新しい歴史を刻む夏は、まだ終わらない。

◆1972年(昭47)の出来事 佐藤栄作首相退陣、田中角栄内閣誕生。沖縄返還で、沖縄県発足。日中国交正常化。連合赤軍あさま山荘事件。グアムで横井庄一さんが発見され「恥ずかしながら…」が流行語。札幌で冬季、ミュンヘンで夏季五輪開催。プロ野球優勝はセ巨人(日本一)、パ阪急。阪急福本豊は日本記録のシーズン106盗塁。上野動物園にジャイアントパンダのランラン、カンカンが来園。ベストセラーは「恍惚の人」(有吉佐和子)、テレビでは、フジテレビ「木枯し紋次郎」日本テレビ「太陽にほえろ!」開始。情報誌「ぴあ」が創刊。第14回日本レコード大賞は「喝采」(ちあきなおみ)。

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