敗れた橿原は、最後まで「良き敗者」であり続けた。2点を追う8回に3長短打と犠飛で追いつき、流れをつかみつつあった。

延長10回。先頭打者を失策で出し、安打と犠飛で勝ち越しを許した。ただ、試合終了の瞬間、涙を流す選手はいなかった。

公立高校対決。激闘を演じ、50年ぶりに4強に進んだ生駒の選手と抱き合うと、球場は大きな拍手に包まれた。

5打数3安打の大牟田海斗主将(3年)は、充実感に満ちた表情だった。

「みんなが最後まで諦めない気持ちで戦うことができました。負けたのは悔しいですけれど、これだけの試合ができた。楽しかったです。本当にやり切って、全力を出し尽くしたという思い。相手のピッチャーのスライダーが良かった。こんなに楽しい試合を経験できた。楽しかったです」

東膳奏輝(とうぜん・そうき)内野手(3年)は、泥だらけのユニホームで「8回にうちに流れがきて、その勢いで勝ちたかったですけど、でも、本当にやり切りました」と話した。猛暑の中、柴田涼平投手(3年)は10回、166球を1人で投げた。

橿原は00年の選抜大会に出場。初の初甲子園を目指し、今大会は2回戦で春季県大会優勝の奈良大付を3-2で撃破。4強入りすれば15年ぶりだったが、あと1歩、わずかの差で夏を終えた。

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