今年も注目選手を要チェックします! 今秋のプロ野球ドラフト会議の指名候補を、23年も「ニッカン・オリジナルカード」付きで紹介します。3回でお届けする新春ドラフト候補企画第1弾は、投打で1位候補がそろう高校生編。昨年のセンバツVにも貢献した絶対的エース兼主将のサウスポー大阪桐蔭・前田悠伍投手(2年)をピックアップする。

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誰もが認める世代NO・1投手。前田は「絶対にドラフト1位でプロに行く。強く意識しています」と迷わず言った。

実績は説明不要だ。昨春のセンバツは2試合13イニング自責点ゼロの圧倒的投球で優勝に貢献。新チームからエース兼主将の肩書を背負うと再び圧倒的な存在感を放った。秋季大会は大阪、近畿、そして明治神宮と無傷。まず秋の頂点へと駆け上がった。

複数の投手を擁する今チームでも存在感は突き抜けている。大阪決勝の履正社戦は13奪三振で完封。近畿決勝の報徳学園(兵庫)戦も1-0の3安打完封を達成。明治神宮では、昨夏を制した仙台育英(宮城)に自己最多161球の完投勝利。東の横綱と目された相手に意地を示した。

充実の2022年だったが納得はしていない。「個人的には自分の投球ができなかった。まずセンバツで成長した姿を見せたい。チームとして日本一をつかみたい」と掲げる。直球は最速148キロを誇るが速さ以上に「質」にこだわる。体が横振りになる悪癖の修正が最大のテーマだ。

秋のドラフトへ。先輩の松尾汐恩捕手(18)がDeNAにドラフト1位指名され、一層意識が高まった。「身近な松尾さんが1位で入団したので、これまで以上に自分も1位で、という意識に変わった。あと1年は短いと思います。1日たりとも無駄にできない。春、夏と自分の投球を見せて、結果を残してドラフトに向かいたい」と力を込めた。【柏原誠】