球児たちの夏が帰ってきた。8日、近畿地区では大阪、京都、奈良、滋賀の4府県で一斉に開会式が行われ、4年ぶりに全選手が参加した。
京セラドーム大阪の人工芝を踏みしめ、優勝旗を返還した大阪桐蔭の最速148キロ左腕、前田悠伍主将(3年)も初めての体験に感激。出場173校159チームの「ライバル」と場を共有し、ラストサマーに臨む強い決意を新たにした。
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甲子園の借りは甲子園で返す。大阪桐蔭のエース左腕、前田の最後の夏が始まる。京セラドーム大阪での開会式に参加し、人一倍の熱い思いを明かした。「自分たちの最後の夏が始まるという思いと、優勝旗を返還してもう1度取り戻すという気持ちです」。
主将として優勝旗を返還。レプリカを受け取り「もう1度取り戻せるように頑張って」と大会関係者から声をかけられた。「ありがとうございます」。笑顔で答えた決意は強固。昨夏の悔しさは忘れていない。
史上初3度目の春夏連覇を目指した前回大会は、2年生ながらエースとして臨んだ。準々決勝の下関国際(山口)戦で5回途中から救援登板したが、1点リードの9回に3安打を浴びて逆転を許した。「甲子園の借りは甲子園でしか返せない」。試合後に隠さなかった悔しさをぶつける夏がやってきた。
この春は大阪大会、近畿大会ともコンディション調整のためベンチ入りを外れ、約2カ月間主将の座を離れた。だからこそ、チームリーダーとして迎える最後の夏にかける思いは強い。「自分もチームも本気で、初戦に向かって準備段階。初戦までに(課題を)つぶして、試合を勝つにつれて克服できれば」。まだまだレベルアップする決意だ。
コロナ禍のため、ここ3年の大阪大会は主将だけの入場行進だったが、今年は4年ぶりに出場173校159チームの全メンバーが並んだ。前田も初めて夏の大阪大会で行進。「全チームが全員で行進できて、いよいよ始まったという気持ちを持ちました」。激戦区大阪を戦うライバルと顔を合わせ、V3へ表情を引き締めた。【安岡拓磨】
◆前田悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県長浜市出身。小学6年時にオリックスジュニア選出。高月中時代は湖北ボーイズに所属。甲子園では2年春のセンバツVに貢献。同年夏はベスト8で下関国際に敗れた。だが秋の神宮大会では同大会史上初の同一校連覇に貢献。連覇を狙った今春センバツは4強で敗れた。4月はU18日本代表候補選手強化合宿に参加。180センチ、81キロ。左投げ左打ち。

