金足農にニューヒーローが現れた。1年生右腕、吉田大輝(たいき)投手が公式戦初登板で快投した。兄は同校OBでチームを18年夏の甲子園で準優勝に導いた吉田輝星投手(22=現日本ハム)。兄がプロで背負う背番号「18」のユニホーム姿で秋田中央打線に真っ向勝負を挑み、6回2/3を1安打2失点(自責0)、4奪三振。試合は延長12回タイブレークの末に敗れた。

吉田大は2-3の6回1死一、二塁のピンチで3番手で登板した。先頭を120キロ変化球で中飛、次打者を136キロ直球で左飛と火消しに成功。7、8、9回は3者凡退。延長10回タイブレークは犠飛で1失点したものの最少失点で切り抜ける。11回は無失点、12回は適時打を浴びたが1失点と粘った。

この日は自己最速を2キロ更新する140キロをマーク。打っては9回の第2打席に中前へ初安打を放つなど敗れはしたが、大器の片りんは見せた。

試合後、吉田大は「自分は1年生ということで3年生の夏を終わらせてはいけないと思っていたが、踏ん張りきれずに負けてしまった」と悔しさをにじませた。新チームでは主力投手として活躍が期待される。高校での目標は兄輝星超えとなる甲子園優勝だ。「この悔しさを忘れずにやりたい」と敗戦を糧にして前へ進む。