第2シードの加茂暁星が逆転サヨナラ勝ちで準々決勝進出を決めた。新発田中央に延長11回タイブレーク(無死一、二塁から開始)の末、8-7。5-7の11回裏、この回先頭の4番柴田光伯主将(3年)が左翼に3ラン本塁打を放ち、勝負を決めた。準々決勝は19、20日にハードオフ新潟で行われ、加茂暁星は20日に新潟明訓と対戦する。
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涙が止まらなかった。3時間9分の激闘に終止符を打った。加茂暁星・柴田主将は目頭を押さえながらダイヤモンドをまわった。「苦しい試合の中、それまで仲間がつないでくれたことを全部思い出した」。劇的すぎる逆転サヨナラ3ラン本塁打。本塁を踏むと同時にチームメートが笑顔で抱きついてきた。
柴田は0-3の9回に中堅手から4番手として登板。その裏、味方打線の粘りで同点に追いついた。だが続投の延長タイブレークの10回に2失点。その裏の反撃で再び同点となるが、11回にまた新発田中央打線につかまった。1度、中堅に戻るが2死から再登板し、5-7で11回表を終えた。
無死一、二塁から始まるタイブレーク。2点リードされた11回裏、柴田は先頭でこの日5度目の打席に入った。ここまで無安打。2ボールからセーフティーバントを試みるが、空振り。その直後に押切智直監督(48)から「思いきり打て」のサイン。チームの期待、主将で4番としての責任。何より強かったのは勝ちたいという意欲。すべてを込めて直球をとらえた。
ベンチ入り20人中18人が出場した総力戦。押切監督は「選手はよく頑張った」と褒めた。3点を追いついた9回。タイブレークになってからも10、11回と2度、先行されては食らいついた。柴田主将は「誰もあきらめていなかった。タイブレークになってからベンチは盛り上がった」と言う。
チームは春季県大会で準優勝し、夏の第2シードを手にした。相手が“打倒加茂暁星”で来ることは分かっていた。夏に向けて練習中からお互いのプレーを厳しく指摘し合った。開幕1週間前からは逆にポジティブな言葉が多くなった。選手だけのミーティングを重ねて培った結束力が土壇場で武器になった。
「これだけいいチームになったことが、主将としてすごくうれしい」。激闘をものにして5年ぶりの8強入り。主将として、それ以上の収穫を柴田は感じていた。【斎藤慎一郎】

