21年夏Vの日大山形が、東北文教大山形城北に14-7の8回コールド勝ち。両軍合計27安打の乱打戦を制した。2-3で迎えた5回2死一、二塁、清野隆之輔外野手(2年)が、今大会初安打となる逆転の左越え3点本塁打を放つなど4打点の活躍で勝利に貢献した。

日大山形のリードオフマンが待望の1本で流れを変えた。5回2死一、二塁で迎えた第3打席、2球目の内角スライダーを捉えて逆転3ラン。今大会はこれまで9打数ノーヒットだったが、ようやく長いトンネルを抜け出した。荒木準也監督(51)も「清野のホームランが(試合の)流れを一転させてくれた」と称賛。清野は「やっとチームに貢献できた。1本ヒットが出たことがうれしい」と胸をなで下ろした。6回には2死満塁で押し出し四球を選び、1点を追加。チーム最多の4打点を挙げた清野は、準決勝に向けて「自分が一番出塁して、次の試合でもチームに貢献したいです」と意気込んだ。

初戦、3回戦で先発した最速147キロエース右腕、菅井颯(3年)が5回から登板。直球は130キロ後半がほとんど、変化球を多投と疲れを隠せなかったが、バックを信じて打たせて取り7回まで無失点。8回表に4失点したが、チームが打ち勝ってくれた。菅井は「今までに感じたことがない疲れがある。神経を使うので…」と夏独特の緊張感に悩まされながらも、「自分はしっかり腕を振って抑えにいくだけ。バックを信じて投げたい」と強調した。準決勝は21日、3試合で38安打35得点の強打を誇る、羽黒と対戦する。菅井は「リセットして、フレッシュな状態で臨めたら」。フル回転を誓い、チームの勝利に貢献する。【濱本神威】

 

▽羽黒が山形商に9-2の8回コールド勝ちで5年ぶりの4強入り。この日は4本塁打を含む12安打と打撃が好調。7回1死、高校通算7号の左越えソロを放った野口大成捕手(2年)は、2安打2打点と活躍したが「チャンスで打てるようになりたい」。準決勝は今春準決勝で0-7のコールド負けを喫した日大山形と対戦。野口は「自分の役割をちゃんと果たして、リベンジしたい」と意気込んだ。