第1シード聖光学院が、ふたば未来学園を10-0の5回コールド勝ち。2年連続4強入りを決めた。エース安斎叶悟投手(3年)が4回3安打無失点。打線は10安打10得点の猛攻で好投に応えた。

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自己採点は厳しかった。聖光学院先発・安斎は3戦19得点のふたば未来学園打線を無失点に抑え、エースの貫禄を見せた。だが、ボール先行の投球が目立ち、3四球。「無失点で抑えたという点では100点だが、いらない四球が多かったので、総合的には50点」と制球の乱れを反省。気迫や度胸ある投球が持ち味だが「自分的に絶好だと思った球が、ボールになって動揺した。その後も修正ができず、自分から崩れてしまった」と振り返った。

安斎は中学3年の夏、当時、13年連続甲子園出場を果たした聖光学院の試合を観戦。チーム一体となり、泥だらけになりながら、ひた向きにプレーする姿に感銘を受け「自分にはここしかない」と入学を決意。中学では一塁手だったが、入学後は投手に挑戦。「エースになりたい」という思いを抱き、日々努力を重ね、背番号「1」を背負うことになった。安斎は「うれしい半面、ベンチを外れてしまった選手の思いも背負うのでプレッシャーも感じる」と、エースとしての責任をひしひしと感じている。

あと2勝!「今日はふがいない投球だった。だが残り2戦は全力で頑張って、甲子園に連れて行く」と応援に駆けつけた家族に誓った。憧れの聖光学院のエースとして迎えた最後の夏。23日の準決勝では田村-郡山の勝者と対戦。家族との約束を果たすため、安斎が全力投球でチームをけん引する。

▽ふたば未来学園・遠藤太監督 甲子園を基準に戦うチーム(聖光学院)はやはり強かった。(昨夏の)コロナの影響で、3回戦辞退から始まったチーム。試合の中で成長が感じられた。最後まで元気を絶やさず、よく戦ってくれた。