おかやま山陽が倉敷商を下して、6年ぶり2度目の優勝を果たした。

倉敷商にリベンジを果たした。2年前の決勝では、9回にサヨナラ負けし、あと1歩で甲子園を逃した。その相手を退けて、6年ぶりの頂点に立った。

2度追いついて、勝ち越した。2回に先制を許したが、5回に同点。6回に再び勝ち越しを許したが、裏の攻撃で追いついた。2-2の7回に渡辺颯人内野手(3年)が勝ち越し打を放って、試合を決めた。「とにかくつないでいこうと思った。打った瞬間は抜けたか分からなかったけど、声援が打球を後押ししてくれた」。どでかい雄たけびを上げて、喜びを表現した。

渡辺は2年前の決勝では、背番号18でベンチ入り。試合には出場せず、ゲームセットの瞬間をベンチから見届けた。「負けた瞬間にマウンドに行った相手選手の光景を忘れず、練習に取り組んできた。2年前に負けたあの雰囲気は一生忘れない」と悔しさをバネに練習に取り組んできた。

決勝前日には当時の3年生からも「絶対に勝ってくれ」とメッセージが届いた。もちろん先輩と気持ちは同じ。「あの悔しさがあったから、こうして決勝戦でまた当たったときに先輩たちの分も借りを返すという気持ちだった」。悔しさを晴らす一打に「ホッとした気持ちが大きい」と大仕事をやってのけた。

優勝が決まって、人生で初めてうれし涙が目にあふれた。学校創立100周年のメモリアルイヤーに、公式野球部が花を添えた。

◆おかやま山陽 1924年(大13)に岡山県生石高等女学校として設立。2002年(平14)から現校名。生徒数は1015人(女子418人)。野球部は1949年(昭24)創部で、部員数は98人(女子マネジャー4人)。甲子園は春1度、夏2度目。主なOBはソフトバンク藤井皓哉、元ロッテ仁科時成。所在地は浅口市鴨方町六条院中2069。原田一成校長。