慶応(神奈川)が、1916年(大5)以来107年ぶりの優勝に王手をかけた。 関東勢対決となった準決勝は土浦日大(茨城)を2-0で下した。1点リードの6回、主将の大村昊澄内野手(3年)が右前適時打を放ち、貴重な追加点を奪った。先発のエース小宅雅己投手(2年)は7安打完封勝利。23日の決勝は、センバツで延長タイブレークの末サヨナラ負けを喫した仙台育英(宮城)と戦う。

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◆1916年(大5)の出来事 世界では前年に続いて第1次世界大戦が開戦中。ドイツとイギリスで初めてサマータイム(夏時間)制度が導入された。国内では、夏目漱石が49歳で死去。総理大臣は10月に大隈重信の後を受けて、寺内正毅が任命された。大リーグでは21歳の元祖二刀流のベーブ・ルースが投手として23勝12敗1セーブ、防御率1・75で、防御率1位に輝いた。

◆慶応はノーアーチ 慶応は準決勝まで本塁打なし。夏の大会で本塁打を打たないで優勝すると、74年の金属バット採用後では92年西日本短大付、03年常総学院に次ぎ20年ぶり3校目となる。

◆春夏同一カード 仙台育英と慶応はセンバツでも対戦し、仙台育英が勝利。同じ年に春夏連続で対戦するのは41度目。過去は返り討ち26度、リベンジ14度で雪辱の確率は35%。仙台育英は89年夏、元木大介がいた上宮に雪辱したが、01年夏は春に勝っていた宜野座に敗れた。慶応は慶応商工時代の37年に中京商、47年に下関商と春夏とも当たり、いずれも2連敗だった。

◆似たユニホームの決勝 慶応と仙台育英はグレーを基調としたユニホーム、赤が入ったストッキングなどが似ている。最近では21年夏の智弁和歌山と智弁学園が、ほぼ同じユニホームで話題になった。

◆神奈川対宮城 過去は春夏通算で神奈川県勢の4勝2敗(夏は4勝1敗)。2敗はいずれも慶応で、56年夏の仙台二、今年春の仙台育英に敗れた。決勝対決は15年夏の東海大相模10-6仙台育英以来2度目。