豊川(愛知・東海)が投手が足りなくなる緊急事態を乗り越えた。1点を追う延長11回に逆転サヨナラ勝ちを収めた。

陰のヒーローは背番号14をつけた竹内雄惺(1年)だった。

先発の中西浩平(1年)が5回4失点。6回からは平野将馬(1年)、鈴木爽太(2年)、本田能光(2年)で9回までつないだ。

9回は2点差。勝負に出たベンチは本田に代打を出した。作戦が奏功し、追いつくことができたが、延長戦を前にすでに投手4人を使い果たしていた。

タイブレークの延長10回。5番手に指名されたのは内野手の竹内だった。高校では打撃投手しかやったことがなく、長谷川裕記監督(30)も「ムードメーカーとしてベンチに入れていた。9回に代打を出すしかなくて、出さざるを得なくなった」と苦笑い。竹内に「負けても君のせいじゃない。ストライクを入れてこい。バッティングピッチャーと一緒で、直球だけでいいから」と送り出した。

捕手の高橋賢(2年)が出すサインに、必死に腕を振った。「1~2球は曲がらないスライダーも投げさせました」と高橋。タイブレークの10回は1失点。その裏に追いつくと、11回も続投。ここも1失点で踏ん張った。最少失点で抑えたその裏に、高橋が中越えに逆転サヨナラ打。最高のフィナーレが待っていた。

【明治神宮大会】富士大-上武大ほか 豊川、作新学院がともに逆転サヨナラ勝ちで4強/速報中