和歌山の超伝統校2校に、待ちわびた「春」の吉報が届いた。第96回選抜高校野球大会の選考委員会が26日に行われ、出場32校が決定。ペリー来航の1年前となる1852年(嘉永5)に創設された耐久が春夏通じて初の甲子園出場。1896年(明29)創立の田辺は21世紀枠で76年ぶり2度目のセンバツ切符を手にした。組み合わせ抽選会は3月8日に開かれ、同18日に甲子園で開幕する。

  ◇  ◇  ◇

選手18人に76年ぶりの吉報が届いた。監督室で中継を見守ったナインはガッツポーズで喜びを爆発。田辺(和歌山)が21世紀枠でのセンバツ出場を決めた。田中格監督(51)は「選ばれるのは難しいかなと思ってました。ほんま夢のよう」と感無量だった。昨秋の和歌山大会では、強豪の市和歌山と智弁和歌山を連破。52年ぶりの近畿大会でも京都国際との初戦で延長タイブレークの末に2-3と善戦した。

選出理由には教育相談を担った経験のある田中監督がスクールカウンセラーと連携し、精神的サポートを重視している点や、子どもたちへの野球教室などの地域貢献活動が挙げられた。過疎化が進む地域で、選手18人と女子マネジャー4人でつかんだ聖地切符だ。小学3年時に同校での野球教室を経験した主将の山本結翔内野手(2年)は「この地域を活気づけるためにも選出していただいて、甲子園でいいプレーをしたい。目標は優勝です」と力を込めた。

嶋田大輔部長(34)は耐久OB。「(2校の出場は)夢にも思ってなかった。決勝で当たったら、すごい」と和歌山旋風を願った。田中監督も「子どもらはもし選ばれたら勝ちたいと言っていた。のびのびやると思う」と甲子園での試合を心待ちにする。創立128年の伝統と、地元への感謝を胸に、聖地へ乗り込む。【村松万里子】

【センバツ】21世紀枠は別海と田辺 選考委員会で出場32校決定/学校メモ付き一覧