今春センバツに出場する高崎健康福祉大高崎(群馬)の合宿が10日、千葉・館山市内で始まった。
普段と場所は変われど、やることは同じだ。金井俐樹捕手(2年)はシートノックのバックホームの際、誰よりも大きく「アウトー!!」と声を出す。
そこには明確な意思がある。
「やっぱり、箱山がどうしても一目置かれてるっていう中でやってるので。技術で彼の上を目指すというのは難易度が高いので、まずは当たり前の声だけも負けないようにずっと練習から意識しています」
主将で4番打者でもある箱山遥人捕手(2年)は今秋ドラフト候補に挙がり、盤石の存在だ。
中学時代は高崎中央ボーイズでプレーし、群馬県選抜や東日本選抜でもマスクをかぶっている。実績がある。それでも「高いレベルで争ってみたいと思って」と高校を選び、そこに箱山がいた。
「中学での自信がこの高校に来て、箱山に取られて、一番下に落ちたというか、挫折を味わったのはあります」
それでも愚直に泥くさくやる。「絶対に勝てないと思ったことはないので」。そんな金井の姿に、箱山も「心強いというか、たとえ自分がケガや病気で離脱したとしても、チームのためにやってくれると思うので、深い心配はないです」と信頼を寄せる。
三塁ベースコーチを任されている。試合への出番はなかなかない。悔しいけれど「自分の持ち味は声なんで、そこはどんな評価でも出し続けるのを意識したいです」と曲げない。控え捕手として、自分の役割に徹する。
定期的に盤石の捕手が出現する健大高崎で、伝統は受け継がれる。6年前、同じような控え捕手がいた。彼の個性は、声と練習熱心さと鉄砲肩。大柿廉太郎捕手(現NTT東日本)という盤石のレギュラーがいたから「あいつは公式戦、ほとんど出てないんじゃないかな」と青柳博文監督(51)も回想する。
運命的にも大柿とともに進学した法大でも、大柿には追いつけずに、4年間で公式戦出場は4試合のみ。それでも夢をかなえた。
「見てくれる人は見てくれる、ってことですよね」
6年後の後輩の励みにもなっている彼の名は、是沢涼輔。西武の育成捕手として、高校時代と同じようにひたすら愚直に己を高めている。【金子真仁】

