整列時、目をギュッとつぶった。盛岡大付(岩手)・月島夏王翔主将(3年)は「涙をこらえてました。ここまで来られたのは、たくさんの人が応援してくださったから。一緒に校歌、歌いたかった」。歯を食いしばってから、スタンドに声を張り上げた。「応援、ありがとうございました!」。務めを終え、やっと両膝に手をついた。
ベンチでも熱い声だった。「出たい気持ちはあったんですけど。まだ同点。キャプテンとして流れを持ってこられるよう、とにかく声をかけようと」。8回の守り、花巻東の先頭打者のファウルフライを捕りに行き、三塁側フェンスに左膝を強打。代わらざるを得なかった。声で戦い続けたが勝ち越され、9回では3点差に。それでも、最後の攻撃で1点差まで追い上げた。「粘りは見せられた。やってきたことは間違いではない。胸を張って、どこ行ってもこの結果を生かせるように」と堂々と言った。
12年以降、決勝で花巻東と当たるのは6度目だった。これで3勝3敗。関口清治監督(47)は「花巻東の存在が、うちを強くしてくれるというのはあります。やはり、そこを倒さないと甲子園はないので」。月島は「技術は大差ないと思う。あとは気持ちだけ」。紙一重の勝負が、きっと強くしてくれた。【古川真弥】

