鶴岡東(山形)が延長10回タイブレークに及ぶ激闘の末、早実(西東京)に0-1のサヨナラ負けを喫した。9回表2死一、二塁のチャンスで、億田知輝捕手(3年)が三ゴロに終わるなど、打線が好機を生かしきれず。7回1死二、三塁のピンチを2者連続三振で切り抜けるなど、9回まで無失点に抑えたエース左腕桜井椿稀投手(3年)の好投に最後まで応えられず、鶴岡東ナインの夏が幕を閉じた。
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相棒の好投に報いることができなかった。億田は7回、9回と2死一、二塁のチャンスで打席に立ったが、どちらも三ゴロに終わった。「力みもあったが、それ以上に(早実の)中村くんの球がよかった」。相手エースを攻略できないまま延長へ。10回表には一塁走者に入り、内野ゴロの間に二塁へ進塁。続く田崎遥士(はると)外野手(3年)への2球目で三盗を試みたが、失敗した。「チャンスで打てなくて、桜井に申し訳ないです」。力投のエースを援護できず、悔やんでも悔やみきれなかった。
1点が遠かった。それでもベンチの雰囲気は良かった。小林優星主将(3年)は「みんないい声かけをしていて、何が何でも1点取るぞという雰囲気になっていた」。全員で勝利に向かっていた。だからこそ、小林は「自分の中ではやりきった。仲間に感謝したい」と胸を張って言える。桜井も「悔い残らず、投げ切れた。楽しかったです」とすがすがしい表情で振り返った。
同校最高成績を超えるベスト8を目指した夏は、志半ばの32強で幕を閉じた。夢の続きは後輩たちへ-。「1番右翼」の丹羽秀太外野手(2年)は「また来て、もう1度甲子園でプレーしたい」。来年また帰ってくると誓い、甲子園の土は持ち帰らなかった。自分のはるか頭上を越えていった決勝打と大歓声を脳裏に焼き付け「こういう接戦も勝ち切れるようなチームをつくりたい」と決意した。
昨秋から県内無敗で、甲子園でも1回戦の聖光学院(福島)との東北対決、2回戦の伝統校との熱戦を繰り広げた鶴岡東ナイン。ここからまた、新たな歴史を刻んでいく。【浜本神威】

