夢の舞台へ、巻き返しの夏となるか。
ノーシード・世田谷学園(西東京)の坂本勇希内野手(3年)は高校通算35本塁打を誇るプロ注目のスラッガー。秋と春は不振に終わったが、尊敬するプロ選手の活躍を刺激に再起した。「通算本塁打へのこだわりはないけれど、チームの目標が甲子園出場なので、優勝するまでにあと5本打って40本でステイさせたい」。6日の羽村との初戦(小野路GIONベースボールパーク)でフルスイングを誓った。
身長180センチの大器がバットを手にした姿はまさにロマン砲そのもの。滞空時間の長い飛球が最大の魅力だが、「第一にカウント関係なく自分のスイングができる」とも。広角にライナー打球も打ち分けられる。
1年時からベンチ入りし、昨夏の西東京大会初戦では右翼席に特大アーチをかけた。しかし、秋以降は不運に見舞われた。秋季東京大会3回戦の二松学舎大付戦の直前に右足首を骨折。復活を期した翌春の春季都大会初戦は試合前のノック中にボールが左目に直撃した。いずれも不完全燃焼に終わった。プロスカウトの前でアピールができなかったことも悔やんだが、それよりも「チームに迷惑をかけて申し訳なかった」。
しかし、無名のスラッガーに再び力を与えた存在がいた。長年ファンとして応援するDeNA桑原将志だ。
昨秋、セ・リーグ3位から驚異的な快進撃で26年ぶりの日本一に貢献し、MVPにも輝いた「ハマのガッツマン」。特長は異なるが、相模原市出身の坂本は「1つのプレーでもこだわりを持ってやっているところを尊敬したい」。例え、手負いの状況だとしても、チームのために全力プレーをする重要性を学んだ。
小学1年生で野球を始めたきっかけにもなった夢の舞台の扉を開くためには確かな結果が求められるのは事実。「今でもプロ野球選手になりたい思いは変わらないけど、まずはチームのために何ができるかを考えて一戦必勝で戦いたい」。悲願の西東京の頂点へ導くために、再び美しい放物線を描く。【泉光太郎】

