<高校野球茨城大会:鹿島学園5-1日立一> 22日◇準々決勝◇水戸市民球場

 サッカー部だけじゃない。鹿島学園が日立一を退け、ノーシードながら16年ぶり2度目の4強入りを果たした。

 1-1の9回1死満塁。3番水野大貴内野手(3年)が左翼線に2点適時二塁打を放つなど4点を奪って勝負を決めた。エース高木寿(2年)は1失点完投。岡部真洋監督(32)は「終盤勝負。1イニング勝負だと思って思い切りいこう」。これに主軸が応えた。水野は「直球を狙っていた。思い切り振ることだけ考えていました」と内角直球を引っ張り、好投手加賀屋を攻略するきっかけをつくった。

 県内最多99人の部員数を誇るが、08年の全国選手権4強入りし、Jリーガーも輩出するサッカー部の方が注目度は高い。野球部のグラウンドの隣には、青々とした人工芝のサッカーコートがある。スタンドで応援し、理事長も務める余湖三千雄校長(70)は「(サッカー部は)セレクションで落とすほど入部希望者が多いので、あと3面造る予定。野球のグラウンドも新しく造ります」と快進撃を喜んだ。

 悔しさをバネにした。昨夏は初戦で鉾田一に逆転負け。昨秋の地区代表決定戦では水戸啓明に1-2で惜敗し、県大会出場を逃した。「気持ちの弱さが出ました」(岡部監督)。この日は7回に同点とされたが、狙い通りの終盤勝負で突き放した。明日24日の準決勝では霞ケ浦と対戦する。「最後まで食らいつきます」(同監督)と、初の決勝進出をかけ第1シードに立ち向かう。【桑原亮】