<高校野球南北海道大会:北海学園札幌6-0札幌新陽>◇1日◇札幌地区Fブロック2回戦◇札幌麻生

 胸に縁取られたオレンジ色の「北海学園札幌」の文字が躍動した。創部91年目、伝統あるチームの背番号1を背負った原健太投手(3年)が札幌新陽戦で9回1死まで無安打無得点の快投。そこから遊撃内野安打を打たれ、大記録達成はならなかったが「チームが勝つことが一番、勝ててうれしいです」と目を輝かせた。

 自宅のある余市町から通学している。入学直後は札幌市内に下宿をしていたが「父にお金の面であまり負担をかけたくなかった」と同町に戻った。朝は午前5時起床。祖母悦子さん(74)がつくる食事をとり、同6時10分の始発に乗る。練習後の帰宅は午後11時ごろ。父徹さん(48)が小樽まで迎え、帰宅すると祖母が起きてきて、夕食の世話をしてくれる。「おばあちゃんと父には感謝してもしきれない」と言う。

 3回戦は春全道準Vの東海大四と対戦する。相手エースの西嶋亮太(3年)とは中学校時代に通った日本ハム野球教室の仲間。札幌地区開会式では「お互い頑張ろうな」と握手を交わした。甲子園に春2度、夏8度出場した相手にも「僕たちにはオレンジ色のプライドがあります」と臆することなく挑む。【中尾猛】