<高校野球南北海道大会:東海大四4-0北海学園札幌>◇4日◇札幌地区Fブロック3回戦◇札幌麻生

 春の全道準V、東海大四が北海学園札幌を退けた。

 冷静沈着で、隙がない。東海大四のエース西嶋亮太投手(3年)は、いとも簡単に、スコアボードに0を並べてみせた。「ライト方向へ強い風が吹いていたので、高めは怖い。低めへの投球を心がけました」。散発3安打。三塁を踏ませることなく、110球で北海学園札幌打線をシャットアウトした。

 投手戦を覚悟していた。相手投手は、2回戦で9回1死まで無安打無得点と好投した原健太投手(3年)。「打線が苦しむと思っていた。1点を取ってもらったら逃げ切ることを想定していました」。信念を持って、マウンドに立った。

 あどけない表情の裏で、策略を練っていた。許した3本の安打は、すべて原に打たれたもの。それすらも「投手なら、出塁すれば走ったりして疲れるはず」と計算通りだったのだから、恐ろしい。実際、安打された直後の攻撃では、味方が6回に1点、8回にも2点を挙げているだけに、ただの強がりではなさそうだ。

 春季全道大会の決勝では、登板機会がないまま、北照に敗れた。夏の地区予選。同じ札幌のライバル校、北海が1回戦で姿を消した日を振り返り「僕たちも100%勝てるわけじゃない」。各地区で次々とシード校が敗れる中で「夏は、何が起きるか分からない。少しの隙も与えたくない」と、強く思う。

 春の地区予選から続く「自責0」は、34回2/3に伸びた。技術も、メンタルも。東海大四には、完全無欠のエースがいる。【中島宙恵】