<高校野球南北海道大会:札幌清田2-2札幌第一>◇6日◇札幌地区Eブロック代表決定戦◇札幌麻生

 両者1歩も譲らずに、勝負は延長15回、引き分け再試合へと持ち越された。札幌第一のサウスポー石橋健吾投手(3年)は、1四球を挟んで7者連続を含む24奪三振。そのうち、3球三振は11という圧巻のパフォーマンスだった。外野への打球は、わずか4本。伸びのある直球とスライダーの2種類だけで、先発全員から三振を奪ってみせた。

 もう1人の主役、札幌清田のエース中島啓汰投手(3年)は、今大会の3試合、すべて1人でマウンドを守っている。こちらも14奪三振。4回こそ、2連続四死球で走者をためて2点を先制されたが、8回、味方が執念で追い付き「気持ちだけ切らさなかった」と188球を投げきった。

 「延長に入ってからは精神的に苦しかった」と言う石橋とは対照的に、中島は「楽しく投げていた」。終盤、石橋の左手人さし指には新しいマメができ、中島は「お茶を飲む時に、コップを持つ手が震えていました」。握力は、ほとんど残っていないはずだ。

 それでも、2人は声をそろえる。「明日も9回を投げきりたい」と。2時間53分、2人合わせて計372球に及んだ激闘は、今日7日にも決着する。【中島宙恵】

 ◆南北北海道大会での再試合

 降雨や日没などで試合続行が不可能と判断された以外での再試合は、地区予選では92年の函館地区代表決定戦で函館工対木古内が延長18回を戦い0-0で引き分け。再試合は函館工が8-1で勝った。北北海道大会では09年の2回戦、帯広大谷対旭川実が延長15回で3-3の引き分け。再試合は帯広大谷が3-0で勝利した。