<高校野球南北海道大会:駒大苫小牧6-0札幌丘珠>◇19日◇1回戦◇札幌円山

 “満点攻撃”で、春夏連続の甲子園へ向け好発進だ。今春のセンバツに出場した駒大苫小牧が、投打がっちりで札幌丘珠に快勝した。8番を打つ上西翔大右翼手(3年)が3安打1打点。佐々木孝介監督(27)が「僕の中では100点満点」と称賛した隙のない攻撃で、道大会通算100勝目をマークし準々決勝へ進んだ。

 相手からもらったチャンスは、逃さない。1回に暴投であっさり1点を先制した駒大苫小牧は2回、四球を足がかりに犠飛で1点を追加。佐々木監督が「ヒット0本で点を取れたことは、僕の中で100点満点」と称賛した隙のない攻めで、序盤からスコアボードに得点を刻んだ。

 3回は6番鈴木、8番上西の適時打で効果的な加点。下位まで切れ目のない、文字通り「線」となった打線で、好投するエース伊藤大を援護した。満点評価の攻撃で、道大会通算100勝を飾り「つながりを持って、しっかりと点を取ってくれた」と指揮官もまずまずの表情だ。

 道内屈指の強豪とあって、部員100人を超える大所帯。激しい定位置争いが、選手のレベルアップにつながっている。背番号16の上西は、全道を制した昨秋のメンバー。全4試合で3番を任され優勝にも貢献したはずだが、今春のセンバツでは背番号をもらえなかった。スタンドから見守るしかなかった甲子園。だからこそ、この日は「メンバーに入れなかった子の気持ちを考えて打席に入った」。3安打を放って「力を抜いてコンパクトなスイングを心がけたのが良かった」と、晴れやかな笑顔を浮かべた。

 2年連続の4強入りを懸けて、今日20日に札幌日大と対戦する。「泥臭く、相手を負かすための準備をしたい」と佐々木監督。もう1度、甲子園へ。全力で勝利をつかみに行く。【中島宙恵】

 ▼駒大苫小牧が3季通じて道大会通算100勝をマークした。甲子園初出場を果たした66年夏の南北海道大会1回戦で、札幌第一を2-0で下し初勝利。夏の南北海道大会は通算43勝。全道大会は春21勝、秋36勝。100勝到達は、最多245勝の北海、駒大岩見沢(161勝、閉校)、函館大有斗(141勝)、北照(138勝)、18日に132勝目を挙げた東海大四に次いで史上6校目。