<高校野球青森大会:弘前学院聖愛8-0弘前中央>◇19日◇準々決勝◇青森市営球場

 弘前学院聖愛が7回コールドで弘前中央を破り、4年連続で準決勝進出を決めた。先発の外川和史(3年)が6回3/3を5安打無失点の好投。打っては4打数3安打3打点。昨年初優勝の聖愛がV2へあと2とした。

 聖愛の外川が会心のガッツポーズをみせた。7回表1死一塁で遊併殺打に打ち取り、ゲームセット。6回には、いったんレフトの守備に回ったが、無死満塁のピンチに再登板。ここでも1死後、遊併殺で切り抜けた。奪三振3、四球1。直球とスライダーを制球よく投げ、打たせて取った。

 昨秋は背番号1。今年は背番号7で、投げない時は4番を打つ。冬には左足を痛めた。2月末に左大腿(だいたい)骨の疲労骨折が判明。約1カ月治療に専念し、練習から遠ざかった。3月末に復帰。普段は練習の9割は野手、試合が近づけば投手の練習をして二刀流をこなしてきた。

 「背番号1でなくても関係ない。打者1人1人に集中して投げるだけ」と外川。打ってはシングル3本で3打点。「大きいのを狙わず、確実にセンター方向へ打ち返すことをみんなで確認した」という。打線全体も12安打のうち長打は二塁打1本だけ。4回戦までの前半3試合で二塁打8、三塁打2、本塁打3を放ったが、後半のスタートは打撃の原点に返った。

 外川は昨夏甲子園2回戦の沖縄尚学戦で、勝ち越しの2点二塁打を放つなどベスト16入りに打で貢献。投手での出番はなかった。V2を目指すこの夏、準決勝はセンバツ出場の光星との大一番。「1人1人のレベルが高い相手だが、自分たちの野球をしっかりできる方が勝つ」ときっぱり。

 原田一範監督(36)は「外川はよく投げたし、打線は単打でつなげたのが良かった。光星さんには簡単にはいかないが、思い切ってぶつかる」と挑戦者の姿勢を強調した。【北村宏平】

 ◆外川和史(そとかわ・かずふみ)1996年(平8)4月4日、青森県平川市生まれ。広船小1年から野球を始めた。平賀東中ではエースで4番で県大会優勝、全国中学大会出場。聖愛では1年秋から試合出場。177センチ、76キロ。右投げ右打ち。血液型O。