<高校野球青森大会:青森6-4八戸工大一>◇20日◇準々決勝◇青森市営野球場

 青森では、青森の里村将伍主将(3年)が骨折を乗り越えてチームを引っ張り、八戸工大一に勝利。8年ぶりの準決勝進出を決めた。

 勝利の瞬間、里村がガッツポーズで駆け出し、ナインと抱き合った。青森が3回、6安打で一挙6点を挙げ逆転。後半反撃されたが久保沢遼矢、木村稜(ともに3年)のリレーで逃げ切った。里村も適時打1本を放ったほか、投手やナインに常に声を掛け、鼓舞した。

 里村は6月1日、岩手遠征の練習試合で左腕を骨折した。診断は全治2カ月。「夏の大会に間に合わないので、みんなには全治1カ月とうそを言った」。組み合わせ抽選会の前日の同24日、医師に頼んでギプスを外してもらった。痛みは残り、片手での打撃練習しかできなかった。

 だが主将としてチームを引っ張り続けた。里村輝監督(39)は「私の参謀役。何でも彼と相談して決める」と全幅の信頼を置く。17日の4回戦、八戸北戦からフル出場。「みんなの力で勝った。ただ1校残った公立校として、この後も負けられない」と打倒私立を誓った。【北村宏平】