<高校野球和歌山大会:智弁和歌山9-1伊都>◇22日◇準々決勝◇紀三井寺

 智弁和歌山は2年ぶりの優勝に向け、頼もしい男が帰ってきた。今年のセンバツで先発した斎藤祐太投手(2年)が今夏初登板で、6回3安打1失点。高嶋仁監督(68)は「最初はバックに引っ張られたが、コントロール中心で彼のペースだった」と評価した。初回に2点を先制。1回裏に味方の失策で1点を返されたが、粘り強く投げ続け許した失点はその1点のみ。チームの7回コールド勝ちを呼んだ。

 斎藤は6月上旬の練習試合で打球を受け、左薬指を骨折していた。約1カ月実戦から遠ざかり、再び投げ始めたのは今月に入ってからだったが、この日はそのブランクを感じさせない投球だった。

 「調子が悪かった。コースをついていこうと思っていた。抜け球があったり、(今日の投球は)50点」と斎藤本人は自分の調子にまだまだ不満な様子だったが、高嶋監督は「スピードは分からないがコントロールは調子がいい。これでいけるとつかんだんじゃないかな」と評価は高かった。「斎藤が投げられたのは大きい」と高嶋監督も頼りにする2年生投手が復帰。総合力をアップさせ、頂点まであと2勝に挑む。【磯綾乃】