<センバツ高校野球:利府5-4早実>◇3月31日◇準々決勝

 21世紀枠の利府(宮城)は試合前日に発覚したブログ事件を乗り越えて、早実(東京)に5-4で競り勝った。21世紀枠校の4強進出は8年ぶり2度目。東北勢同士の準決勝対決は春夏通じて初になる。

 チーム一丸となった集中攻撃は2点を追う5回だ。1死二、三塁から1番遠藤聖拓主将(3年)が三塁線を抜く。適時二塁打で同点に追い付くと、打者11人で5安打5得点。早実が誇る2枚看板を打ち崩した。遠藤主将は「伝統校だけど、名前負けはしない」と胸を張る。2回戦の習志野(千葉)に続き、関東の古豪を逆転で下した。

 チームはブログ事件で揺れた。ベンチ入り選手が初戦の掛川西(静岡)を侮辱する書き込みをして、前日に日本高野連から厳重注意を受けた。普段は15分程度の前日ミーティングを2時間行った。バラバラになりかけた心を「勝つしかない」(遠藤主将)と1つにした。完投したエース塚本峻大投手(3年)は「監督、部長に責任はこっちで取るからお前たちは野球で返すしかないと言われて涙が出た。掛川西のためにも今日の試合に勝ちたかった」と言った。

 花巻東とは昨年5月に練習試合をしたが、菊池は登板しなかった。大舞台で真剣勝負に挑む。