東海大相模(北神奈川)の大田泰示内野手(3年)は、同校歴代1位の本塁打数を誇るスラッガーだ。14日、帝京との練習試合で通算53号を放った。188センチの長身で、握力は左右共に60キロ。放った打球は中堅110メートルの同校バックスクリーンを越え、隣の寮まで届いたことがある。阪神菊地スカウトは「飛距離は(日本ハム)中田クラス」と評価する。

 あこがれの選手は、OBの巨人原監督。少年時代に、原監督の野球教室に参加した。そこで「相模愛」という言葉に胸を打たれた。「高校時代のおれを超えているよ」と原監督からもその才能を認められている。

 昨夏は三塁手だったが、秋から遊撃手にコンバートし、守備の要としての役割も果たす。ヤクルト宮本スカウトは「日本人には珍しい大きなショート。(ヤンキース)ジーターみたい」と称賛する。投手もこなす大田の直球は、最速140キロを超え、地肩も強い。

 夏は、他校からの徹底マークは必至だ。それでも「やってくるチャンスは確実にものにしたい」と意気込む。大先輩の原監督の44本も抜き、現在も本塁打記録を更新し続けているが、自身の記録については「意識していないし、数もちゃんと数えていない」という。目指すは31年ぶりの甲子園。「自分が犠牲になってでも、仲間と甲子園に行く」。大田の決意は固い。