<高校野球北北海道大会>◇17日◇1回戦
北見北斗が大会史上に残る大金星を寸前で逃した。今春のセンバツ甲子園代表駒大岩見沢と1回戦で対戦。1年生の島崎良投手を公式戦初先発させる奇策がズバリとはまり、試合中盤まで2-0とリードしたが、6回裏1死二、三塁の場面で降雨で中断。その後天候が回復せず、試合成立は7回と定めた高校野球特別規則により、そのまま南北北海道大会では初のノーゲームとなった。試合は18日の第1試合(午前9時)に順延された。
土砂降りの雨の中、球審の「ノーゲーム」のコールが無情に響いた。一塁側ベンチで白方伴幸監督(40)は立ったまま、1点を見つめていた。視線の先は水のたまったグラウンド。あと5つのアウトで試合は成立した。「今日勝っていれば起死回生だったが…。出すものはもうない。明日はだれを投げさせればいいのか」。恨めしそうに空を見上げた。
一世一代の奇策で「ヒグマ食い」まであと一歩まで迫った。白方監督が地区初戦常呂戦で途中1イニングしか登板していない島崎先発を決めたのは14日。直前の練習で好投したことがきっかけだったが、それ以上にその存在を知られていないことが決め手となった。
選手にその事実が伝えられたのは翌15日夜のミーティング。島崎自身も「まさかと思いました」と驚く抜てきだった。島崎は「だれにもしゃべっちゃいけないと思って」と、トップシークレットと思い込み、両親にさえ伝えなかった。白方監督が「可能性は未知数だがかけてみた」というギャンブルだったが、見事なまでに的中した。
内外角に散らす絶妙のコントロールで、ヒグマ打線を5回まで無失点と手玉に取った。バックも好守でもり立て、4回には3番堀籠の本塁打で先制。5回には失策に乗じて追加点を挙げた。しかし、6回から雨あしが強まり中断。島崎は「試合を続けたいとものすごく思ってました」と祈ったが、そのままノーゲームとなった。この日の時点で天は北見北斗に味方しなかった。
それでも、ナインから未練がましさはなかった。奥原主将は「最初は5回で試合が決まらないようにしようと話していたのがここまでできた。雨といっても条件は相手も一緒。明日まで集中力を切らさずにいい流れのまま試合に臨みたい」と士気は保ったままだ。再戦は18日午前9時試合開始。手の内はさらけ出したが、勝敗はまだ何も決まっていない。【小林明央】


