<高校野球福岡大会:小倉5-2西日本短大付>◇18日◇4回戦

 これが創立100年の名門の底力だ!

 小倉が西日本短大付を撃破した。3試合連続2ケタ得点で勝ち上がってきた脅威の小倉打線が試合後半に目覚めた。5回までは3併殺を取られるなど、決定打を欠いていた打線が、相手投手の球が高めに浮き出したのを狙い打ちした。6回に4安打で2点ビハインドを追いつくと、7回には1死一塁から1番平原(ひらばる)大樹(3年)が右翼のポール際に飛び込む2ランを放って勝ち越した。「大きいのを狙っていました。絶対に走者をかえすつもりでいました」と平原大は胸を張った。

 3回戦まで3試合で38得点と打撃には絶対の自信を持っている。その強力打線を引っ張っているのが平原大だ。「平原だけにいいところを持って行かれないようにと、ほかの選手が必死に練習するんです」と土田秀夫監督(47)。秋までは3番だったが、俊足とセンスの良さが買われてリードオフマンになった。「自分が打たないと負けるんです」と平原大も1番の役割を自覚している。

 打線の援護に奮起したマウンドの井生(いおう)広大(3年)も燃えずにいられない。7回と9回以外はすべて走者を許しながらも2失点完投だ。「練習試合でも完投したことはないんじゃないかな。今日は井生が抑えてくれたのが大きかったですね」と土田監督は井生の頑張りに目を細めた。

 スタンドでは全校生徒がナインに声援を送った。終業式の日に、夏の思い出を友達にプレゼントした小倉ナイン。100年の伝統を背に、次も打ちまくって2年連続8強入りを決める。【前田泰子】