<高校野球北北海道大会:旭川実1-0北見工>◇21日◇準々決勝

 旭川実が延長13回の死闘を制し、準決勝進出を果たした。旭川実・鈴木佑門(ゆうと、3年)と北見工・織田和樹(2年)の息詰まる投手戦は0-0で延長戦に突入。迎えた延長13回裏2死二塁から旭川実に適時打が出て、1-0で決着した。鈴木自身がサヨナラのホームを踏む劇的な幕切れだった。

 延長13回表まで北見工、旭川実両軍のスコアボードに0が並んだ。息詰まる投手戦。(延長15回戦っての)引き分け再試合かと思われた延長13回裏、勝利を呼び込んだのは旭川実のエース、鈴木の執念だった。1死無走者から、163球を投げてきた疲れも見せず振り抜いた。打球は一塁手の失策を誘い出塁した。

 続く白石は2-1と追い込まれた後、自ら監督に3バントのサインを出した。「絶対に走者を進めないとならない場面だし、バントには自信があったから」。その言葉通り、鈴木をしっかりと二塁に進める。ここで佐野のライナーが左前に落ち、3時間近い死闘にピリオドが打たれた。

 サヨナラのホームを踏んだ鈴木を、旭川実ナインが躍り上がって迎えた。まるで優勝したかのようなシーン。「感動しました。生徒たちの頑張りに。特に鈴木の投球には脱帽です」。込山久夫監督(61)の言葉も興奮に上ずっていた。

 今年最高の投球だった。7安打を許したが、うち4本は内野安打。四球1と制球が安定し、奪った三振は17個を数えた。伸びのある速球に加え、中学2年から使っている得意球スクリューがさえた。

 苦い思いを乗り越えてつかんだ勝利だった。今春の全道大会1回戦、北海道栄とやはり延長13回の死闘を演じ、鈴木は12回1/3を投げ15奪三振も1-2で敗れた。疲れから変化球の制球が甘くなり、失投を狙い打たれた。

 その反省から「スタミナ強化とここぞという時の一球入魂」(鈴木)を自己に課した。ポール間走30本を週2回、さらに塁間ダッシュを繰り返した。延長13回表の2死三塁の危機は、入魂のスクリューで三振に切り抜けた。「あの経験があったからこそ、今日は頑張れた」。一回り成長したエースは準決勝、決勝もフル回転の覚悟でいる。【本郷昌幸】