<高校野球西東京大会:早実6-2日大三>◇24日◇準決勝

 西東京の名門早実が1年生投手のリレーで強豪日大三を撃破、2年ぶりの甲子園へあと1勝と迫った。小野田俊介-鈴木健介コンビで2失点の完投。打線が終盤に爆発して6-2で逆転勝ちした。

 早実に入学してまだ3カ月あまり。背番号11の小野田俊介と背番号14の鈴木健介の1年生リレーが勝利を引き寄せた。試合後、2人は互いの胸を指さしニッコリ。和泉実監督(47)も「2人とも着実に力をつけてきている。本当によく放ってくれた」と好投をたたえた。

 先発マウンドに上がったのは、今大会4度目となる小野田。強打を誇る日大三を前に15歳の少年は「意識して少し硬くなった」。初回1死二、三塁、3回1死満塁と序盤からピンチの連続。だが「気持ちで投げようと思った」と最速139キロの直球主体で押しまくった。「ランナー背負ってから開き直ったんじゃないかな」と和泉監督が話すように、5回を被安打4。最少失点で切り抜けた。

 6回からは「うしろがいてくれるから安心して投げた」と信頼する鈴木にバトンを渡した。鈴木は直球とカーブ、スライダー、チェンジアップを駆使し打たせて取る投球。7回に追加点を許したが、2安打に抑え打線の援護を待った。中学時代に日本代表として世界を経験。「日大三打線は外国人みたいなスイング」と振り返るが、ひるまず立ち向かった。

 2人の力投に応えるように打線が終盤爆発した。8回に押し出しの四球などで同点とすると、9回には、林俊太朗右翼手(3年)の右越え二塁打など計5安打で一気に4点を奪った。1年生が投げ上級生が打つ。チーム一丸となって粘り強く勝利をもぎ取った。

 早実の1年生といえば80年夏の甲子園で準優勝した荒木大輔(現ヤクルト投手コーチ)が有名だ。2年前に全国制覇した斎藤佑樹投手(早大2年)も1年時にはマウンドに上がってはいない。早実の1年生コンビが甲子園デビューまで、あと1勝と迫った。