甲子園の南北海道代表・北海の初戦の相手が26日、西愛知代表の東邦に決定した。東邦はこの日、愛知啓成を下して6年ぶり15回目の代表を決め、抽選で北海と対戦する大会5日目(8月6日)第2試合を引き当てた。強打の東邦に、北海はエース鍵谷陽平(3年)が初回を無失点に抑えることがカギになる。

 待たされること7日、北海の初戦の相手がやっと決まった。春夏合わせ甲子園出場41回という愛知の雄・東邦。選手たちはこの日の練習を終え帰路についた後だったが、強豪との対戦が決まったことは、あっという間に伝わった。

 強敵だ。センバツ優勝4回、準優勝1回に加え、77年夏は「バンビ」こと坂本佳一を擁して準優勝の実績もある。元巨人山倉和博ら数多くのプロも輩出した名門。今回、西愛知大会準々決勝では05年センバツ覇者・愛工大名電を7回コールド(8-1)で下し、愛知啓成との決勝も12-9と打ち合いを制した。

 強打のチームを最速144キロ右腕の鍵谷がどう抑えるか。平川敦監督(37)は「まだ情報が少ないが、相手は打撃のチームかなと思う。鍵谷の立ち上がりがカギになる」と言う。南北海道大会4試合で鍵谷が初回を3者凡退に退けたのは、コールド勝ちした準々決勝の駒大苫小牧戦だけ。他の3試合は失点こそしていないものの、四球や安打で出塁を許した。本州の伝統校なら、ちょっとしたほころびからカサにかかってくる恐れは十分だ。

 逆に、緊張もある初回を無失点で切り抜ければ、北海はペースをつかめる。春に比べこの夏の鍵谷は、球速は変わらないが、高めに上ずる球が少なくなり、低めにコントロールされている。切れ味鋭いスライダーとのコンビネーションは東邦といえど簡単には打ち崩せない。9年ぶり34回目の聖地で、8強に進出した94年以来の白星を北海が取りにいく。