<高校野球福岡大会>◇18日◇5回戦

 創部100年甲子園見えた!

 福岡大会で夏の甲子園10度出場を誇る古豪、小倉が3年ぶりの8強進出を決めた。延長12回の激闘の末、筑紫を3-2で破った。小倉の街を彩る伝統の夏祭り「小倉祇園太鼓」以上の熱気だった。

 名門野球部と同時に県内屈指の進学校。福岡県立小倉中学として1908年に開校し、1910年創部の野球部は、今年で100周年を迎えた。メモリアルイヤーの甲子園行きは、学校関係者や卒業生の悲願となっており、その思いに応えるべくナインもがむしゃらだった。この日、地元の北九州市民球場の一塁側スタンドには、全校応援で700人が集結。小倉が47、48年に全国制覇した当時のエース福島一雄さんらOBも懸命に声援を送った。

 負けるわけにはいかなかった。11回裏に1点リードを追いつかれ、2-2の同点で迎えた12回表無死一塁。「自分で決めてやろうと思った」という8番・戎寛寿投手(3年)の二塁打でチャンスを拡大。1死二、三塁から、1番の山口智洋捕手(3年)が値千金の右犠飛で勝ち越した。その裏、戎は先頭打者を失策で背負ったが、後続を抑えた。勝利の瞬間、ナインは喜びを爆発させた。

 ひとりで初めて12回を投げ抜き、打者51人に164球を投じたエース戎は「甲子園はしばらく出ていないので自分たちの代で新しいページを刻みたい。必ず行きたい」と気合十分。56年以来、54年ぶり11度目の夏の甲子園出場を果たしてみせる。【菊川光一】