<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇4日◇兵庫県立芸術文化センター

 第92回全国高校野球選手権(7日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が4日行われ、3回戦までの対戦が決まった。仙台育英(宮城)は大会5日目の第2試合で開星(島根)と対戦。勝ち進めば3回戦で今春センバツ優勝の興南(沖縄)と当たる可能性があり、左腕エース木村謙吾(3年)が燃えている。

 仙台育英のエースが頼もしい。3回戦まで勝ち進めば春王者の興南と対戦する可能性がある。だが、激戦区に入っても動じるどころか笑みを浮かべた。春V左腕の島袋洋奨について「やっぱ意識しますね」と話す。同じ145キロ左腕ということも木村の頭にはある。

 「島袋を倒してNO・1左腕になります」。

 強気の発言には自分にプレッシャーを与える意味もあった。

 それもそのはず。1、2回戦も全国屈指の投手が控えている。初戦の開星には身長185センチ、体重91キロの横手投げ右腕・白根尚貴(2年)がいる。140キロ台後半の速球を持ち島根大会では36回を投げ12安打46奪三振1失点。「すごいっすね~」と敬意を表した。2回戦にはプロ注目の148キロ右腕・田中太一(3年)を擁する大分工が勝ち上がってくる可能性も。ハイクラスの投手陣に木村のコメントも勢いを増す。

 「みんな倒したい。夏のスターになるのは自分なんで。右の一二三(慎太=神奈川・東海大相模)、左の木村と言われるようになりたい」。

 まったく気持ちで負けていない。サッカー日本代表FW本田圭佑にも劣らない“ビッグマウス”が東北勢に勢いを与える。佐々木順一朗監督(50)も「勝つには投手陣が抑えないと始まらない。木村が7割方、先発でしょう」と絶対の信頼を置く。1年夏は3回戦の横浜戦で、9回の自身の暴投で2-3と敗戦。その雪辱は「NO・1左腕」となって果たすつもりだ。【三須一紀】