第7回WBSC女子野球W杯(韓国・釜山)で、侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」が11日の決勝でカナダを10-0で下し、史上初の5連覇を達成した。2回に広島のドラフト4位ルーキー船越涼太捕手(22)の妹、船越千紘捕手(20=平成国際大)が先制の左前適時打。3回にも中越え2点適時二塁打を放った。日本をW杯21連勝に導く3打点の活躍。前日10日に25年ぶりのセ・リーグ制覇を決めた兄との“アベック優勝”を飾った。投げては先発の里(さと)綾実投手(26=兵庫ディオーネ)が2安打完封。2大会連続の最優秀選手に選ばれた。

 「神ってる」5連覇だ。船越は最後の打者を一ゴロに打ち取ると、真っ先にマウンドに駆けだした。W杯初出場の20歳が、大一番で2安打3打点。「5連覇という結果につながって、すごくうれしい」。満面の笑みで喜びをかみしめた。

 「神ってる」打撃だった。2回2死三塁、外角低めの変化球に食らいついた。左前に落とす先制適時打。打球を確認しながらガッツポーズした。「打席では特に何も考えていなくて、1点を取ることに必死でした」。ベンチからの声援に一塁上で両手を振って応え、白い歯を見せた。

 勝負を決めたのも船越だった。3回、相手の失策やボークで3点を追加し、2死一、二塁で迎えた第3打席。外角高めの変化球をとらえた。中堅手の頭上を越える2点二塁打。一気に5点を奪った。決勝進出を決めた9日の2次リーグ、オーストラリア戦でも2安打3打点。恐怖の8番打者が、広島を思い起こさせる猛打の主役になった。

 守っても、同じポジションの兄譲りの強肩を披露した。初回、味方の失策で許した走者の二盗を阻止。先発したエース里をもり立て、完封勝利へリードした。低めのキャッチングも光った。広島のように、経験豊富なベテランと若手が融合してつかんだ優勝。「すべて初めてで、いろんなことを学べた。いい経験をさせてもらった」と感謝した。

 船越と同じく、プロ野球で活躍する兄を持つ4番も仕事を果たした。ヤクルト川端の妹、川端友紀内野手(27=埼玉アストライア)は、3回に3点目の犠飛。「(兄には)5連覇したよって、力強く伝えたい」。今大会8戦全勝で、12年大会から続くW杯での連勝を「21」に伸ばした。世界ランキング1位の「マドンナジャパン」に敵はない。