巨人がCS進出危機に追い込まれた。初回、4球でプランが崩れた。無死二塁で先発の畠の投じた球が抜け、上本の側頭部を直撃。ぼうぜんとするルーキーがあっという間に降板した。先発投手の4球での危険球退場は史上最少。予期できない事態に見舞われた。

 緊急登板の2番手中川は3回まで2失点と奮闘した。だが打線が援護できない。初回1死一、三塁で4番阿部が二ゴロ併殺打。2回に村田の13号ソロで反撃に転じたが、4~6回の連続得点圏で1本が出なかった。7、8回にマシソンの牙城が崩れ、3失点したが敗戦を背負わすことはできない。高橋監督も「スコット(マシソン)は一番に近いくらい信頼している投手。こういう形になるのはしょうがない」と話した。阿部は「4番が最低限の仕事をできないと相手に流れが行ってしまう」と認めた。

 この日を含めた残り3戦は4本柱の畠、田口、菅野で全勝をもくろみ、最終戦はマイコラスも救援待機させ、万全を期していた。だが青写真は崩れ、今日1日にも11年連続CS出場が途絶える。「決まるまで目の前の試合に勝ちに行くことは変わらない」。高橋監督は可能性を追求する。執念と底力で逆境を打破するしかない。【広重竜太郎】

 ▼先発の畠が1回、上本への頭部死球で危険球退場。先発投手が1死も奪えずに危険球退場は09年7月30日と11年9月19日大場(ソフトバンク)13年4月29日中村(日本ハム)14年7月21日山口(DeNA)に次いで4人、5度目。救援投手では1球目に危険球退場が8人いるが、先発投手で4球目は前記山口の5球目を抜いて最少投球数となった。

 ▼巨人畠(危険球退場に)「頭に当ててしまい、上本さんが心配です。大事な試合を任された中で、チームに迷惑かけて申し訳ない気持ちでいっぱいです。バントの場面だったので簡単にやらせない気持ちだった。力が入ってしまった」。