阪神は18年度の監督・コーチングスタッフを23日、発表した。片岡篤史打撃コーチ(48)がヘッドコーチを兼任。掛布雅之前2軍監督(62)の後任には、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(48)が就任した。指揮官の信頼厚い2人のコーチを要職に起用。2軍のコーチも若返りを図り、若虎を豊富な練習量で厳しく指導する方針を鮮明にした。金本政権3年目は、「鬼内閣」で超変革を加速させる。

 若虎を猛虎に成長させるべく、「鬼内閣」が発足した。阪神が来季のコーチ人事を発表。3年目を迎える金本政権は、超変革を力強く進めていく方針を鮮明にした。掛布前2軍監督の後任には、矢野作戦兼バッテリーコーチが就任。片岡打撃コーチがヘッドコーチを兼任する。2年間ともに戦い、指揮官の信頼厚い2人のコーチを重要なポストで起用した。「(優勝した)03年、05年にもり立ててくれた選手。2人とも指導力、リーダーシップがある。チームを引っ張る力は相当ある」と高野球団本部長は手腕を期待した。

 今季は2位に躍進したが、伸び悩んだ若手も多い。生え抜きの選手を育て、骨太のチームを作るのが金本監督のビジョン。道はまだ半ばだ。今オフからは戦力の底上げを目指し、練習の量と質の向上を追い求めていく。今季終了後に安藤、狩野、新井が現役を引退。チームの若返りは急速に進んでいる。

 矢野2軍監督は選手と正面から向き合い、熱心かつ厳しく指導できる。バッテリー部門の強化だけでなく、打撃指導も担う予定だ。片岡打撃コーチは今季も積極的に指揮官へ進言する姿が見られた。ヘッドコーチを託し、さらに選手を厳しく鍛え上げる。金本-矢野-片岡という強固なトライアングルで、1、2軍の組織力を高めていく。

 ファームのコーチは7人が40歳前後とフレッシュな顔ぶれがそろう。高野球団本部長は「一緒になって動けると思う。どんどん、練習してもらう」と狙いを説明。選手の猛練習に付き合える人選と言える。金本監督は新任となる安藤2軍育成コーチにこう伝えたという。「厳しくやってくれ」。温厚な性格の安藤コーチだが、指揮官の意図を理解。「厳しくやっていきたい」と所信表明した。

 金本監督は2年契約を終えた。「育てながら勝つ」という姿勢を球団側は評価し、長期政権を託す方向。若手育成に情熱を注ぐ指揮官の意向をくんだ組閣となった。【田口真一郎】