初代“城主”になって姫路繁栄や! 阪神伊藤隼太外野手(28)が21日、西田と合同自主トレを行っているウインク姫路球場で、得点圏打率3割超えを誓った。昨季は代打の切り札として打率2割6分1厘。得点圏打率は3割1分8厘を誇った。「1打席1打席、後がないと思っているので、自然と(得点圏に走者を置くと)スイッチが入る。3割と言わず、打てるだけ打ちたい」と力を込めた。

 世界文化遺産に登録されている姫路城からほど近い球場で、勝負師は武者震いした。知人の紹介もあり、今オフから姫路自主トレをスタート。実はプロ野球選手が姫路で自主トレを行うのは初めてという。この日は野球少年たちが大挙して練習を見学し、地元のケーブルテレビ局から密着取材を受ける場面もあった。

 姫路城は700年近い歴史を誇り、かつては羽柴秀吉も一時的に城主を務めるなど48代にわたって守り抜かれてきた。ただ、東洋大姫路などの強豪校を置く街は意外にも、プロ野球選手の練習地としてはまだ未開の地。「すごくいい環境でやらせてもらっている。自分が頑張ることで(姫路の野球が)活性化できればと思います」。1月には姫路城の清掃活動にも参加するなど、地域に密着した野球振興にも積極的。新たな歴史を作るべく、気合十分だ。

 連日、午前9時から午後5時ごろまで練習。この日もノックにロングティー、フリー打撃にウエートトレと濃密なメニューに汗を流した。「体をねじってグッとためたパワーを1つに凝縮してからボールに伝える感覚。バットとボールの接地時間を長くできるように」。理想の打撃を追求し、地道にバットを振り続ける。「代打に甘んじるつもりはない。チャンスは若い選手から来ると思うけど、去年の俊介さんのように結果を出せばチャンスはある」。外野レギュラー争いに割って入る覚悟だ。【佐井陽介】