広島が投打ともに精彩を欠き、昨年5月9日以来の4連敗で首位から転落した。2年ぶり先発の中村恭平投手(29)は4回1/34安打も、6四球が失点に大きく響いた。打線は阪神のプロ初先発高橋遥人(22)の前に7回2安打。8回に1点を返すのが精いっぱいだった。

 ヒーローインタビュー、虎党の歓喜が漏れ聞こえる甲子園球場の冷え切った通路を、緒方監督は真っすぐ前を向いて歩いた。投手陣はまたも「四球病」から失点を重ね、これまでチームを引っ張ってきた打線も新人左腕にひねられた。昨年5月9日以来の4連敗で、阪神に首位の座を明け渡した。

 緒方監督 今日も自分の中ではいろんな反省するところがある。またしっかり反省して、明日の試合に向けて全力で挑むだけです。順位? 1試合1試合しっかりと戦っていくだけ。

 投打に精彩を欠いた。2年ぶり先発の中村恭は1回1死から上本を四球で歩かせると、続く糸井に左中間を割られて先制を許した。2回以降は踏ん張るも、5回に再び崩れた。1死一塁から連続四球、さらに大山には3者連続となる四球を与え、押し出し…。ここでマウンドを降りた。4回1/34安打も、6四球。失点はすべて四球が絡んだ。九里の1四球を含め、チームの与四球は11試合でリーグ最多の50個となった。

 打線は前評判以上の高橋遥の力強い真っすぐに押され、7回まで2安打。84球の省エネ投球で、二塁すら踏ませてもらえなかった。鈴木が選手登録を抹消された4日以降、チームは2勝5敗。タナキクマルへの依存度が色濃くなり、精神的支柱の新井も含めた主力不在の影響が浮き彫りとなりつつある。

 開幕4連勝の好スタートから一転、4連敗で貯金は1に減った。連覇した昨年も一昨年も、4連敗が最長で、いずれも2度しかなかった。緒方監督は「もう終わったことだから。また明日の試合に向けてやっていく。それだけ」と言ってバスに乗り込んだ。まだ11試合が終わったばかり。順位や貯金の数を気にする時期ではないかもしれない。ただ悪い流れを断ち切るためにも、投打ともに反発力を見せたい。【前原淳】