ソフトバンクが今季本拠地最終戦で西武に勝ち、2位からの逆転日本一へ弾みをつけた。工藤公康監督(55)は最終戦セレモニーでファンの前で「我々の目標は日本一」と力強く宣言した。本多雄一内野手(33)の引退試合となったこの試合で、チームはひとつになり勝利。CSへ向けて大きな1勝となった。

マイクの前で工藤監督は高らかに宣言した。

工藤監督 2位という悔しい思いをしたのも事実です。我々の最後の目標は日本一。13日からのCSで勝って、勝って、勝ちまくって日本一になることが我々の使命だと思います。

満員のヤフオクドームのファンから大歓声が起きた。本拠地最終戦で、優勝を奪われた西武と対戦。捕手に栗原をプロ初スタメンで抜てき。中2日で中継ぎの高橋礼を先発させた。西武は中村、外崎を、ソフトバンクはデスパイネを休ませるなど、お互いが手の内を隠しながらも、西武に勝ち今季対戦成績を12勝13敗で終えた。工藤監督は「西武に勝ったことで、何より選手たちは自信を持って(CSに)行ける」と勝って終えたことを評価した。

3回からマウンドに上がった武田が3イニングを無失点。5回には4番山川のバットを148キロへし折って中飛に打ち取るなど力強さも見せた。今季4勝目。3勝まではすべて完封勝ちだったが、短いイニングでも使えるところをアピールした。工藤監督は「戦力として考えていますし、短いイニングを投げた時の球の力もあった。コーチと話をして決めたい」と話し、CSでも鍵を握る投手の1人となりそうだ。

この日で引退する本多に8回、もう1度打席を回そうとチームが一丸となった。本多の胴上げ、記念撮影などのセレモニーで監督、コーチ、選手、スタッフの気持ちがひとつになったのも、大きな意味があった。ロッテと残り2試合を戦い、12連戦でシーズンを終了する。グラシアル、西田、明石と本塁打も飛び出し、戦力に厚みも出た。球団史上初の2位以下からの下克上Vへ、この10月6日がキーポイントとなりそうだ。【石橋隆雄】