阪神矢野燿大新監督(49)が来季キャプテンを次代の若手に託す腹案を温めていることが21日、分かった。17年から2シーズンは、福留がチームキャプテンを務めてきた。新指揮官は「まだ俺のなかで勝手に思っているだけ」と前置きしつつ、主将交代も改革案に挙げる。

16年オフ、金本前監督に指名される形で福留が鳥谷から引き継いで主将に就いていた。2シーズンを終えたベテランも来季は42歳。若手をしのぐ力量は健在で信頼感も厚い。藤川もまたキャプテンシーを発揮し、投手陣のまとめ役として貢献。その重みを痛感した上で、指揮官は「どっちかというと、もう誰かに任せた方がいいかな」と話した。

「その2人をあえてキャプテンというふうに俺はしないで、次のヤツが逆に自覚を持つような。そういうポジションで野球をやって成長できる部分もある。中堅なのか、若手なのか。普通ではない勉強ができる」

野手なら来年27歳の糸原、26歳の中谷らが有力で、投手では28歳の岩貞や秋山らも適齢期だろう。重い責務を背負わせ、さらに成長をうながす思惑がある。

もちろん、福留や藤川を“名誉キャプテン”として精神的支柱に位置づける。「孝介も、完全にチームとしては絶対キャプテンなんよ。みんなの心の支えで。何かあったときに孝介が野手をまとめ、チームをまとめ、球児がピッチャーをまとめ『ちょっとこういうふうにやろう、こうしよう』と言うのは間違いない」と全幅の信頼を寄せる。新指揮官自ら、福留らと話し合って方向性を決めるが、世代交代の旗頭となるニューリーダーの出現を願う。