ソフトバンク工藤監督が、33年越しのコイ料理再現に気合をみなぎらせた。27日開幕の日本シリーズへ、ヤフオクドームで全体練習を開始。指揮官は円陣で呼びかけた。「最終目標は日本一。みんなで力を合わせて日本一になれるように頑張りましょう」。リーグ2位からつかんだシリーズ切符。目指す「下克上」の終着点は2年連続日本一だ。

ホークス対広島は日本シリーズ初対決だが、工藤監督にとって広島との頂上決戦は因縁深い。プロ5年目の1986年(昭61)、西武で11勝を挙げた年のこと。結果的に8戦までもつれ込んだ末に西武が日本一に輝き、投手工藤は1勝2SでMVPを獲得した。△●●●で迎えた第5戦では、延長12回に工藤が津田恒実からサヨナラ安打。この1勝で息を吹き返した西武が4連勝で逆転した。「最終戦は緊張して唇が真っ青になった。あそこを乗り越えたことで自分も変われたかなと思います。苦しい日本シリーズでした」と、32年前の苦闘を述懐。後に投手工藤が飛躍するターニングポイントになったという。

広島攻略へデータのインプットも指示した。「相手を知るデータは大きい。冷静な判断ができる。備えておくことが一番大事」。就任後の連続日本一は15年にあるが、前年の14年優勝は秋山監督の産物。工藤政権初の日本一連覇は下克上で完結させる。【佐竹英治】