引退した広島新井貴浩内野手(41)が、23日の「カープファン感謝デー2018」(マツダスタジアム)に参加することが4日、明らかになった。9月上旬の引退表明から前日3日の日本シリーズ終了最後まで戦力としてベンチに入ったため、引退セレモニーはまだ行っていない。ファン感謝デーが、ファンに直接あいさつする場になりそうだ。

待ちに待った生声が届く。23日に行われるファン感謝デー(ファン感)に新井が来場することが決まった。バリバリの戦力のまま引退を決めたため、シーズン中はもちろん、クライマックス・シリーズのファイナルステージでも日本シリーズでもセレモニーの場を設けるわけにいかなかった。

球団史に残る功労者で人気者をこのままフェードアウトさせるわけにいかない。球団はシーズン中から最高の花道を模索していた。結果的にファン感がその場になった。その昔は引退した選手がファン感で顔見せをするのが通例だったが、近年では多くない。出演イベントや内容は当日のお楽しみになるが、ユニホーム姿の新井からファンへの熱い思いが聞かれそうだ。

激戦の日本シリーズ終幕から一夜明け、長い現役生活を終えた新井はこの日、所用でマツダスタジアムを訪れた。「俺はもう終わったんだから。何もないって。まだ1日しかたってないからあまり変わらないね。昨日の今日だから、もちろん悔しさはあるしね」

今後は家族のもとで、ゆっくり心身を休める時間が長くなる。自ら引っ張って3連覇を達成したが「家族」と呼ぶチームを離れる寂しさは当然あるはず。

「いまさら自分が何も言わなくても、素晴らしい選手たちだから大丈夫。自分はカープの選手からカープファンに戻ったわけだから。これからはみんなを応援したいね」

前日、惜しまれながら最後の打席に立った。多くのファンが抱える「新井ロス」を埋めるため、まだ背番号25のユニホームはたたまない。【柏原誠】