今まで見たことがない球場が、北海道に誕生する。日本ハムは5日、札幌市内のホテルで23年3月に北海道・北広島市内で開業を目指す新球場の建設概要を発表した。日本初の開閉式天然芝球場で、既成概念にとらわれない空間の創造へ本格始動する。

何より目を引くのが、中堅後方に設置される巨大なガラス張りの「グラスウォール」だ。高さ70メートル、幅180メートル。雄大な自然を感じながらの野球観戦も出来る上に、将来的にはグラスウォールのグラウンド側にLEDビジョンを導入することも検討。23年の開業以降に、ガラス全面が巨大な大型ビジョンとなる“進化”も想定されているという。

グラウンドの形状は左右非対称となる。両翼や中堅までの距離、ファウルゾーンの広さなどは現場とも相談しながら決めていく。23年の主力と想定される左の強打者・清宮や、今年のドラフト1位の金足農・吉田ら楽しみな若手が多い。選手がノビノビとプレーできる環境をチームの将来像もにらみながらグラウンドデザインに落とし込む。

左翼席上段には天然温泉に入りながら観戦可能な席が設置される。球団がこだわった部分で、新球場の設計を大林組とともに請け負うHKS社の関係者も設計段階で四苦八苦した。米国でボールパーク設計の実績がある同社も、天然温泉を球場内に組み込むことは世界初の事例。「裸なのか、何かを着ないといけないのか。アメリカの会社では裸はないでしょ、と文化的な違いもあった(笑い)。1200メートルから1300メートル掘れば、源泉が吸い上げられると考えています」と、構想を明かした。三谷執行役員事業統轄副本部長は「世界がまだ見ぬボールパークを北海道から発信していきます」と話した。夢の実現へ、突き進んでいく。【木下大輔】