楽天森雄大投手(24)の弟で、国学院大(東都)の最速147キロ右腕・森翔平(4年=東福岡)が19日、今夏の都市対抗野球に出場した七十七銀行(宮城)への入行が内定した。高2で右肘を痛めたが、今秋のリーグ戦で復活。兄と同じ宮城の地で飛躍し、プロ入りに挑む決意を語った。日大(東都)細川稔樹投手(4年=花巻東)、静岡大(静岡県)和田凌芽投手(4年=盛岡三)ら同期とも切磋琢磨(せっさたくま)し、社会人日本一の目標を掲げた。

森はスーツ姿で完全復活を誓った。楽天エース則本昂大投手(28)と同じ背番号14も決定。「非常に良い番号。右の本格派として恥ずかしくない投球を見せたい。自分の持ち味は気持ちを前面に出すこと。それがチームに伝われば良い」。躍動感あふれる姿で、1年目から存在感を示すつもりだ。

高2から右肘痛と闘い続けた。国学院大では同期でヤクルト1位入団の清水昇投手(4年=帝京)からも助言を受けながら、新フォーム形成に努めてきた。昨年5月には楽天本拠地に足を運び、兄雄大が西武菊池雄星投手(27)と投げ合う姿に刺激を受けた。勝利投手にはつながらなかったが、6回3安打無失点の好投は復活を期す力にも変わった。

今秋、ようやく学生野球の聖地神宮のマウンドに立つ1つの目標をかなえた。明治神宮大会も制した立正大相手に6回途中から初登板。2死一、二塁のピンチを得意のフォークで封じると、1回1/3を無失点。悪い流れを断ち切り、勝ち点奪取に貢献した。

12年ドラフト1位入団の兄は野球を始めた時から憧れの存在であり、目標だ。プロでの姿は教材でもある。「いつか兄と同じ舞台でやれたら良いと思っている。清水にも同様に、追いついて追い越せるようにしたい」。まずは社会人での活躍が必要不可欠だ。「大学ではケガで7季も悔しい思いをしてきた。社会人はもっと厳しく、レベルの高い世界。春に向けて、しっかりと精進し、必死にやって都市対抗で優勝したいです。2年後のプロ入りも目指します」。兄や友の背中を追い、杜(もり)の都で結果を出す。

◆森翔平(もり・しょうへい)1997年(平9)1月9日、福岡市生まれ。兄の影響により、姪浜小時代に福岡アストロズ(硬式)で野球を始め、内浜中は軟式野球部でプレーして九州大会4強。東福岡でも九州大会出場。国学院大では4年秋に初登板。184センチ、82キロ。右投げ右打ち。血液型AB。好きな食べ物はチキン南蛮。