日本ハム杉浦稔大投手(26)が晴れやかな表情でキャンプインした。初日からブルペン入りし、捕手を座らせて65球。「オフも問題なく投げられていた。キャンプ初日にちゃんとブルペンに入れる準備をしようと思っていた」。17年途中に右肩を痛め、約1年のリハビリを経て昨季は復活ののろしを上げる2勝。完全カムバックへ向けて、順調に新たなシーズンをスタートさせた。

不安なく投げられるだけで幸せを感じている。「去年の今頃は投げ始めたばかり。痛みはなかったけど、自分の中で自信が持てなかった。爆弾を持ちながらのキャンプではありました」。いつ痛みが再発するか分からない恐怖心もあった。投球練習では、まるで曇天のように気持ちが暗く、重くなった。「今は気持ち的に違います。その段階をクリアして、実戦に目線が移っています」。

心も、体も、試合で投げる準備をしてきた。伸び上がるストレートは絶品。故障の再発を防ぐ投球フォームを固め、安定させれば、先発陣の一角に食い込める力は十分にある。「ここからはペースを間違えずに調整していきたい」。初日に得た好感触は、アリゾナの突き抜けるような青空のように、明るい未来を予想させた。【木下大輔】