阪神藤浪晋太郎投手は11日、白組で先発し、今季初実戦で上々の出だしとなった。初回、先頭の上本を危なげなく中飛に仕留めると、続く近本の4球目にこの日最速の151キロを計測。左前に運ばれたものの、ワインドアップから投じる直球は威力抜群だった。

「体が重かったですね。昨日、一昨日と結構ばしばし投げていたので、ストレートは150キロちょっと出ていましたけど、もうちょっといい球を投げられるかなと思いました」。本調子ではない中、2回を2安打1失点。「感覚としては問題なかったです。全体的にはいい感じで投げられたと思います」。試合中に笑みを浮かべる場面もあり、順調な様子をうかがわせた。

残した課題もしっかり把握していた。2回1死から甘く入ったスライダーを板山にとらえられ、本塁打を許した。続く長坂の背中に死球、岡崎にもわき腹へ死球。不安要素に映るが、「クイック(モーション)が課題だなと思います。デッドボール2つも余計でしたが、そこまで抜けたわけではない。スライダーが抜けたのと、クイックのバランスを崩したもの」と冷静に自己分析できており、悲観もしなかった。

投球後は、矢野監督と福原投手コーチと話し込む場面もあった。矢野監督も「大きなズレではないと思うし、そんなに心配はしていない」と信頼。完全復活へ、1つずつ課題をクリアしていく。【磯綾乃】