「日本生命セ・パ交流戦」で2位につける巨人が、シーズン途中の緊急補強に乗り出す。課題のブルペン強化へ、大リーグ通算26勝の実績を持つ、ダイヤモンドバックス3Aのルビー・デラロサ投手(30)の獲得調査を進めていることが20日、分かった。ドミニカ共和国出身の右腕で、今季は3Aで最速99マイル(約159キロ)をマークした。5年ぶりのV奪還へ「勝利の方程式」の一角を担う救世主に狙いを定めた。

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セ・リーグ首位を走る巨人が、水面下で新外国人の獲得調査を進めていた。急務とされるブルペン強化へ、ドミニカ共和国出身のデラロサをリストアップした。183センチ、95キロのパワーピッチャーで、今季99マイル(約159キロ)をマークした直球に加え、落差のあるチェンジアップ、スライダーが持ち味。19年は3Aで18試合に登板し、2勝0敗1セーブ、防御率2・49と安定した成績を残している。

デラロサは11年にドジャースで初めてメジャー昇格を果たすと、13年からレッドソックス、15年からダイヤモンドバックスでキャリアを積み上げた。15年には先発として14勝(9敗)をマーク。メジャー通算26勝を誇るも、11年と17年にトミー・ジョン手術を受け、17年終了後にFAとなり、ダイヤモンドバックスと2年のマイナー契約を結んだ。近年はセットアッパーとして終盤のショートイニングを任されている。

原監督率いる巨人にとって最大の補強ポイントに合致する。ここまでクローザー中川につなぐ7、8回を任せる投手を固定できないままシーズンを戦ってきた。昨年左膝の手術を行ったマシソンは、交流戦開幕から1軍復帰したが、18日のオリックス戦で右内転筋を肉離れして離脱中。今季から守護神候補として加入したクックは、4月23日に右ひじの違和感で2軍に降格した。マシソンの登録抹消により、19日に急きょ1軍復帰したが、同日に同点の8回から登板して勝ち越しを許すなど、本来の姿を取り戻せてはいない。

救援陣の防御率は現在リーグ4位。高木、田原、沢村、宮国、鍬原、森福らも奮闘し、一定の役割を果たしているが、デラロサが加入すればブルペンに厚みが増す。レギュラーシーズンは残り77試合。終盤のヤマ場、さらに続くポストシーズンに向けて、最善の準備を進めていく。

◆ルビー・デラロサ 1989年3月4日、ドミニカ共和国生まれ。07年にドジャースと契約し、11年に大リーグデビュー。同年に4勝(5敗)を挙げるなど、大リーグ通算7年間で98試合に登板し、26勝30敗、防御率4・70。183センチ、95キロ。右投げ右打ち。