「小笠原さん、僕にチャンスを下さい!」。国内フリーエージェント(FA)権を行使せず残留の意向を固めている日本ハム杉谷拳士内野手(28)が10日、新たに就任した球団OBの小笠原ヘッド兼打撃コーチへ、自身の背番号を懸けた猛アピールを誓った。

この日、札幌市内の室内練習場でティー打撃など汗を流した背番号2。「小笠原さんは小さい頃からテレビで見ていた選手。面識がほぼないので、お話ししてみたい」と明るく話していた表情に、突然、不安の色が浮かんだ。「背番号…返せとか球団に言われないですよね、僕?」。小笠原新コーチが日本ハムと巨人で現役時代に背負った番号は今、杉谷の背中にしっかりと刻まれている。「剥奪されないよう、小笠原さんが納得できるように、熱い気持ちで戦います。認めてもらえるよう頑張ります!」と必死に声を張った。

来季契約について近日中に改めて交渉の場を持つが、すでに球団側や栗山監督にFA権を行使しないことを伝えており、来季以降も日本ハムでプレーすることが決定的だ。かつて本塁打と打点の2冠を手にし、パMVPにも輝いた小笠原新コーチの背番号2を受け継ぐ男として「打つ方で、しっかり結果を出します」と意気込んだ。【中島宙恵】